作品概要
監督 安孫子亘の初長編ドキュメンタリー映画「檜枝岐歌舞伎 やるべぇや」に続く会津の作品第二弾。
福島県の会津地方の昔語りの語り部である山田登志美を描いたドキュメンタリー映画。昭和二年生まれの山田登志美さんは、今では貴重なものとなった昔ながらの会津弁で昔話を語る。それは登志美さんのおばあちゃんから聞き継がれた話である。話の節々に「人としての道」が盛り込まれ知らず知らずのうちに子供たちは良き方向へと導かれていく。この誰も真似の出来ない山田登志美の語りを記録した貴重な映画である。
登志美さんは会津の大きな米農家に4世代で暮す。2011年3月11日東日本大震災以来、放射能と向き合いながらの米作りが続く。ひ孫の花愛ちゃん(7)と共に語りの文化を広く伝える姿と共に福島の現状を描いた作品である。
福島県の会津地方に伝わる昔話の語り部 山田登志美を描いたドキュメンタリー映画である。
昭和2年喜多方市塩川町に生まれた登志美さんは、おばあちゃんの暖かいひざの中で昔話(ざっとむかし)を聞いて育ち、いつしか身についていた。 その昔話には「人としての道」「道徳的な教え」が盛り込まれており登志美さんは地元の子供たちへ伝承している。
2011年東日本大震災、福島原発事故。会津盆地で米農家に暮す登志美さん一家も放射能と向き合い戦いが続く。収穫された米も全袋放射能検査を義務付けられた。
登志美さんは、被災地を訪れた。将来福島で安心して暮らすためには、今何に向かって進まなくてはいけないのか?子供達の健康は?非難している人達が本当にふるさとに帰れるのか。
会津の美しい自然と語りの世界。福島にはこんなすばらしい文化が息づいています。
「この原発事故も、早く昔話になるといいよな~」
【訃報】3.11震災後の1作目、ドキュメンタリー映画「生きてこそ」の主人公 山田登志美(やまだとしみ)さんが永眠された。この2年間、施設とコロナで会う事すら出来なかった。間際は、残されたわずかな時間、登志美ばあちゃんの「沈黙の語り」を聞いた。ありがとう。福島県民俗芸能研究の第一人者、懸田(かけた)弘訓(ひろのり)さんが新聞に寄せた。